打撲
【打撲の症状】
打撲は状況によって違いは出るものの、一般的には「痛み」「腫れ」の2つの症状が患部に生じます。
また、打撲症状の特徴の一つとして内出血があります。内出血により患部の皮膚の色が赤黒く変色するまでにはある程度時間がかかります。そのため、目で見て確認できるまでには時間がかかることがあります。
【打撲しやすい場面】
打撲は、モノや人と強く接触することが主な原因です。
スポーツでいえば、サッカーやバスケットボール、アメフトなど相手チームと接触する場面の多くあるスポーツは打撲のリスクが高いと言えるでしょう。
スポーツ以外にも、日常生活のふとした瞬間にも打撲をしてしまうことがあります。
例えば、机の角に足をぶつけてしまったときや、戸棚の角に頭をぶつけてできる「たんこぶ」も、打撲の一種です。
特に注意したいこととして、足腰の弱り始める中高年層の方は、段差で足を踏み外したりバランスを崩した際に転倒して打撲を負うケースもあります。朝起きてすぐ、ベッドから落ちてケガをするなどといったことも決して少なくはありません。
年齢関係なく起こりえる打撲。日頃から注意することももちろん大切ですが、正しい対処方法を知ることも症状改善を早めるためにも重要となります。
「打撲」の正しい対処方法
打撲では、ケガをした部分に炎症が起き、痛みや腫れを生じます。
そのため、まず一番に「冷やす」ことが何よりもポイントとなってきます。
患部の血管を収縮させて腫れを最小限に留めることで、症状の悪化と痛みを軽減させます。また、患部を温めてしまうと痛みがさらに強く出てしまうことがあります。
また、無理に動かしたり不必要に患部に触れる、押すなども症状の悪化や治りを遅くする原因になるので注意しましょう。
【打撲には『RICE処置』】
打撲をした際の応急処置『RICE処置』をご紹介します。
『RICE処置』は打撲だけでなく捻挫の時にも使える応急処置です。
いざというときのためにも覚えておくと安心です。
①Rest(安静)
患部の腫れや血管と神経の損傷を防ぐために「安静」にします。
痛みを確かめようと患部を押したりむやみに触れることはやめましょう。
②Icing(冷やす)
炎症を沈めるために冷やします。冷却グッズがなければ、ビニール袋に氷と水を入れて代用します。
凍傷になる恐れがあるため、直接肌には当てず、タオルを一枚挟むなどして行いましょう。
15分から20分ほど冷やしたら一度やめて、痛みが出てきたタイミングで再び冷やすを繰り返します。
3日経っても痛みが引かない場合は骨折も考えられるため、医療機関で診察を受けるようにしましょう。
③Compression(圧迫)
テーピングや弾性包帯を使って患部に圧をかけて内出血による腫れの広がりを防ぎます。強く圧迫してしまうと、患部の腫れがひどくなった際にうっ血してしまう危険もあるため、指先の色が変色してこないこと、しびれなど感覚の異常が出ないことに注意して行いましょう。異常を感じたらすぐに圧迫を緩めてください。
④Elevation(挙上)
腫れを軽減させる目的で、患部を心臓よりも高い位置に挙げてそのまま安静にします。
患部への血流を緩やかにし、症状の悪化を防ぐことができます。
患部に負担がかからないように、クッションなどを使ってその上に足や腕を乗せると良いでしょう。